OEMとは わかりやすく
OEM(Original Equipment Manufacturer/原始設備製造)とは、ブランド側が「このお菓子をこういう材料・味で作りたい」と設計やレシピを用意し、製造だけを工場に任せる方式です。
✔︎ 特徴
- 設計主導:レシピやパッケージはブランド側が決めます
- 製造専門:工場は指示に従ってお菓子を作るだけ
- 知財はブランドへ:配合やレシピの権利は持ち主=ブランド側にあります
✔︎ メリット
- ブランドの個性(独自配合・テイスト)が活かせる
- 製造設備への投資が不要で初期費用を抑えられる
- 自分で品質管理しやすく、安心感を得やすい
✔︎ デメリット
- レシピ開発や設計を自社で完結させる必要がある
- まとまったロット数が求められるケースが多く、小規模ブランドには負担になる場合あり
- 製造ノウハウが蓄積しにくい
ODMとは わかりやすく
ODM(Original Design Manufacturer/原始設計製造)は、工場が独自にお菓子の配合や設計を行い、それをブランドが「これ良い!」と選んで自社の名で販売する方式です。
✔︎ 特徴
- 工場主導で設計・開発から担当
- ブランドは工場の完成品を採用し、包装やロゴを変更して販売
- 企画・設計・製造まで「丸ごと一括発注」(=“交付キー”型)
✔︎ メリット
- レシピ開発の手間がなく、すぐに商品化できる
- 小ロットから対応しやすく、トライアルに向いている
- 企画・設計などブランドが苦手な部分を補える
✔︎ デメリット
- 独自性のある配合ができず、「他社と似た商品」になりやすい
- ブランド側に製品設計力が蓄積されにくい
- 製造側が技術や設計権を持つため、ブランドが依存する構造に
OEMとODMの違い
比較ポイント | OEM | ODM |
---|---|---|
設計主導 | ブランド側 | 工場側 |
知的財産権 | ブランドに帰属 | 工場に帰属(使用条件は契約次第) |
開発コスト | 自社で負担 | 新商品開発コストが抑えられる |
納期スピード | 開発時間が必要 | 即戦力の既製・カスタマイズ商品で早い |
ブランド独自性 | 高い | 限られる |
依存度 | 低〜中 | 高い |
ケーキ屋さんとケーキ職人
たとえばあなたがケーキ屋さんを始めたいとします。
- OEMの場合
「自分でショートケーキのレシピを考える→職人さんに材料とレシピを渡して作ってもらう」方式です。
自分のレシピにこだわりがある人に向いてますね。 - ODMの場合
「職人さんが「こんなレモンケーキ作りました」と試作品を持ってくる→気に入ったらそのまま販売」方式です。
すぐに開業したくて、自分でレシピを考える時間がない人にぴったり。
このように、どこに“主導権”を持たせたいかで形が変わります。
OEM・ODMの選び方 ~あなたに合ったスタイルは?~
- 独自性・ブランド性を優先したい方→OEM
- 早く商品展開したい方、初期投資を抑えたい方→ODM
- 将来的には自社開発も目指したい方→最初ODM→徐々にOEMへ切り替える選択肢も
最新トレンド(2025年〜)
- ODM業界の発展:販売側がマーケットリサーチを減らし、工場主導で企画・設計・販売まで支援する「マーケ支援型ODM」が増えています。
- 小ロット対応強化:ライブコマースやSNS発展により、少量ロットでもODMが対応できるように 。
- 品質保証の要求拡大:食品安全への関心が高まる中、OEM・ODM先にはHACCPや各種省庁ガイドラインに準拠した証明が求められます(例:農水省や厚労省の衛生基準) ※専門家監修が望ましい。
信頼できるOEM・ODM先を選ぶポイント
- 衛生・安全基準の明示(HACCP・ISO・各種検査)
- 実績・ブランド導入事例の確認
- コミュニケーションの透明性:品質確認や納期、レシピ管理まで明確に提示してくれるか
- コスト構造の開示:サンプル・打ち合わせ・製造・包装など必要費用の内訳
- ロット対応力:最小発注数~大口まで柔軟に対応可能か
- 契約時の知財・仕様保護条項が整備されているか
まとめ
OEMとODMはどちらも、ブランドに合わせて賢く選ぶことで、販路拡大の有力な手段となります。
- OEM:オリジナル性重視、自社開発力を高めたい方へ
- ODM:スピード重視、市場テストや初期立ち上げに最適
あなたが「このお菓子で勝負したい!」という思いを持っているなら、まずODMからスタートし、慣れてきたらOEMへステップアップするのも現実的です。安心して第一歩を踏み出せますよう応援しています。
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